労働保険年度更新の書き方

昨晩は原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」を読みました。

スピーチライターの物語です。単純にストーリーも面白かったのですが、ブログを書き始めたことや、結婚式が数か月後に迫っていることもあり、言葉について考える良い機会になりました。


今日は労働保険の年度更新について書いていきます。

社労士さんの業務範囲なので、私が行っている方法のご紹介ということで、参考程度に。

年度更新とは

労働保険とは

労働保険とは労災保険と雇用保険を合わせた呼び方です。

年度更新とは

社会保険の場合は、毎月従業員さん負担分の社会保険料を給料から天引きし、翌月に会社負担分と合わせて納付します。労働保険の場合、従業員さん負担分は毎月の給料から天引きしますが、納付は年に一度、毎年6/1~7/10の期間に年度更新という手続きを経て行います。

納付する金額は、自社で賃金を集計して申告するので、年度更新は労働保険料の金額を自己申告で決定するための手続きだとお考え下さい。

年度更新申告書計算支援ツール

厚生労働省のホームページに年度更新申告書計算支援ツールというExcelファイルがあるので、こちらを使うと便利です。

年度更新申告書計算支援ツールには3つのシートがあります。

  • 利用方法・注意事項
  • 算定基礎賃金集計表
  • 申告書記入イメージ

算定基礎賃金集計表で賃金を集計して、それが申告書記入イメージに転記されるので、それをもとに申告書を書いていく流れになります。

利用方法・注意事項ははじめに簡単に読んで、不明点が出てきたときにちょこちょこ見返すといいでしょう。

算定基礎賃金集計表

各項目で集計する賃金が異なりますので、あらかじめ分けておくといいでしょう。

  • 役員or役員以外
  • 常勤or非常勤
  • 雇用保険の対象or対象外
  • 臨時労働者(労災保険の対象になるが雇用保険は対象外)
  • 免除対象高年齢労働者(労災保険の対象になるが雇用保険は対象外/平成28年4月1日現在、満64才以上)

私の場合は、あらかじめ別のExcelで人ごとにまとめておきました。労災保険と雇用保険で集計範囲が若干異なるので、途中で色々と考えると間違えてしまいそうなので。

次に集計表に記入するための集計欄を作りました。ダイレクトに集計してもいいのでしょうが、年度更新申告書計算支援ツールでは関数が自由に使えないので、上で作ったExcelと同じシートで集計しました。

これを支援ツールの算定基礎賃金集計表に入力していきます。

労災保険
雇用保険 

免除対象高年齢労働者の情報も記載するところがあるので

算定基礎賃金集計表が完成したら、申告書記入イメージを開いてください。
あとは、手元に届いた申告書に記載されている各”率”を黄色い箇所に入力していけば、申告書と納付書が完成します。

税金とは賃金の範囲が異なるでご注意を

年度更新で集計の対象となる賃金は、年末調整で集計する賃金とは異なります。
年末調整では通勤手当は非課税扱いなので、集計する賃金には含まれませんが、労働保険の計算上は含める必要があります。

同じ意味合いの言葉でも、制度によって異なる扱いとなるものは多々あります。専門家に依頼するのでなければ、ひとつひとつ調べる必要があります。本業に支障が出るようであれば、多少報酬を払っても依頼するのもいいかもしれません。