「いきなり難しそうな専門用語使いやがって」
と思われた方。
実際、難しいのでざっくりとしか書きません。なんとなく読んでもらえるとうれしいです。
「医療費の話はもういいよ。病院そげん行かんし」
と思われた方。
病院にあまり行かない方のために作られた制度なので読んでもらえるとうれしいです。
目次
セルフメディケーション税制をざっくり説明すると
市販の薬を年間12,000円以上買った場合は、税金が少し安くなりますよ
という制度です。
この「12,000円以上」というのは家族の分も含めてOKです。
この制度は医療費控除と選択制となっています。
どちらか有利なほうで申告することになります。
いくら安くなるの?
(年間の薬代-12,000円)×税率15%※
これくらい安くなります。
※所得によって変わります。
平均的なサラリーマンの場合、所得税率5%~20%+住民税率10%なので、合わせて15%~30%くらいです。ここでは最低税率15%で説明していきます。
対象となる「薬」って?
OTC医薬品と呼ばれるドラッグストアなどで販売されている薬で、このマークが目印です。
風邪薬や胃腸薬、アレルギー薬、抗アレルギー目薬、鎮痛薬、肩腰痛の薬、水虫の薬など、かなり幅広くあります。
その他、発毛育毛の薬も対象となるものがあるようですね。
ちなみに、葛根湯などの漢方薬、ばんそうこう、包帯、マスク、サプリメント、栄養ドリンクは対象外です。
葛根湯が対象外というのは残念(><)
年間いくらくらい薬局で薬を買っていますか?
あまり病気をしないので今まで考えたことがなかったのですが、この機会に考えてみました。
平河家夫婦二人+70才の母を例にシミュレーション
常備薬といえばこんな感じでしょうか
これに年間の購入数をかけて合計を出すと
これぐらいかな。
- この場合、実際いくら税金が安くなるかというと
(26,200円-12,000円)×15%=2,130円
こんなもんかい・・・という感じですね。
お子さんがいたりするともうちょっと節税効果があるんでしょうね。
- 家族全体で月1万円、年間12万円薬を買っている人の場合
(120,000円-12,000円)×15%=16,200円
これくらいあると少しだけ手間をかけてでも確定申告をする価値があるかもしれませんね。
医療費控除VSセルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制に似た制度で医療費控除があります。
詳しくはこちら
医療費控除は病院での診察代、治療代、処方された薬代も対象になりますが、セルフメディケーション税制はこれら病院でかかった医療費は対象になりません。
ちなみに医療費控除は市販薬も対象になります。
「じゃー医療費控除のほうが得やん!」
と思いたくなりますが・・・
医療費控除は年間10万円以上※医療費がかかっていないと受けられません。
それに対してセルフメディケーション税制は、市販薬に限定されますが、年間12,000円以上かかっていたら受けられます。
(※所得が低い人は10万円以下でも医療費控除が受けられる場合があります。)
つまり、病院に行かず市販薬で治す人のための制度、ひどくなる前に市販薬で治す人のための制度ということになります。
「医療費控除とセルフメディケーション税制どちらが節税になるのか」という問題ですが、年間トータルして比較してみないと分かりません。
とりあえず病院代もドラッグストアの領収書も両方とっておいて、確定申告時期に実際に計算してみるといいでしょう。
セルフメディケーション税制を受けるための条件
セルフメディケーション税制を受けるにはひとつ条件があります。
下記の健診などのいずれかを受けていて、自身の健康増進や病気の予防に取り組んでいること
- メタボ健診健康診断
- 健康診断
- 予防接種
- がん検診
これは家族が受けているかどうかは関係ありません。
確定申告をする方が受けていればOKです。
確定申告の際にはそれを証明する書類
- 健康診断の領収書
- 予防接種の領収書
- 結果通知表など
ちなみに予防接種や健康診断にかかったお金は医薬品代に含めることはできません。
多くの方が受けられる制度
「いくら節税になるか」ということは置いておいて、年間12,000円以上薬を買っていれば受けられる制度なので、多くの方が受けられる制度ではないでしょうか。
「確定申告は面倒」という人は、いくら節税になるのかざっと計算してということになりますが、そもそも確定申告をしないといけない人は、ぜひこの制度を使って節税されてください。